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31短編 連載中 なしお気に入り : 22 24h.ポイント : 0
その日の空はとてもよく晴れていて、こんな日に草原に寝そべれば気持ちがよさそうだと思っていた。 口笛はなぜ、から始まる歌が主題歌のアニメの、あの主人公の少女がおじいさんと暮らす家のような、そんな場所で寝そべれば気持ちがいいだろうな、と。 コンクリート舗装された歩道の真ん中で想像して、いやいやそんな場所は近くにないなあと思い至ったはずだったのに、美蕾は想像したような草原に立っていた。 ▷ 領地引きこもり系有能公爵×異世界トリップしちゃったフリーター ▷ 攻めはきつね顔美丈夫 ▷ 受けは中性的綺麗系男子 文字数 32,672 最終更新日 2023.12.1 登録日 2023.3.11 -
32長編 連載中 なしお気に入り : 17 24h.ポイント : 0
ひとりの女が、ひとり娘を亡くして咽ぶ王妃に言った。 『この花を差し上げましょう』 差し出されたのは、花。 紅い、何処にでもあるような花だった。 しかし、何処にもない花だった。 陽光を浴びて綺羅綺羅と輝く花。 月明かりを浴びて深深と艶めく花。 それは、花ではなく宝石だった。 生花と変わらぬ佇まいで、美しさはより一層。 王妃は問う。 『この花は、一体どうして…』 女は微笑んだ。美しく、虚ろに。 『そちらはわたくしが造りました。美しい王女への餞に』 文字数 6,091 最終更新日 2019.5.19 登録日 2019.5.18