Submitted Novels
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1長編 完結 R18お気に入り : 39 24h.ポイント : 7
あの方の心が閉ざした瞬間を覚えている。 敬愛と恋情との区別も曖昧な時分のことだ。 「結婚しようとも貴方ほど愛せる人はいまいよ」 冗談めいていながらもまごうかたなき本心だった。それを、あの方の想い人は笑い飛ばしたのだ。 「そういうことは好いた女に言うのだな。男同士で寒気がするわ」 その言葉は、彼の人なりの冗談であったのだろう。表情は柔らかく、しかしどこか呆れたような色を滲ませていた。 気にすることなどない一幕のはずであった。ただの言葉遊びに過ぎぬ、他愛のない遣り取りのはずであ った。 しかしながらその頃すでに己の性癖――同じ男に性の欲求を抱くということを感じ始めていたあの方にとって、彼の人の言葉は強い拒絶となり、あの方を酷く萎縮させた。あるいは、彼の人は彼の人の想いを感じ取られていあのかもしれない。今となってはもう、確かめようのない話ではあるが。 そのようにして、あの方はそっと心を閉ざされた。誰にも気づかれぬように、美しく気高いヴェールで幾重にも覆い隠してしまわれた。 表面上は何も変わらないまま、誰にも見せぬ心があることさえも気づかれることの無いよう、厳重に、そして自然に。 文字数 126,218 最終更新日 2024.6.4 登録日 2021.7.19 -
2長編 完結 R18お気に入り : 442 24h.ポイント : 7
「何故あんたのことが嫌いか? ――――他人なんか、すべて嫌いだからだ」 深い森の奥にある全寮制の男子校『古イルス魔術学校』。 その昔エルフが棲んでいたその森に、少年たちだけの学び舎が存在する。 平民出身で人間嫌いの陰鬱なルノは、貴族の嫡男で鼻持ちならない優等生のアレクシスに一目惚れされてしまう。強引に彼のペアにされてしまい、二人部屋に一緒に住むことになる。 口説き落そうとするアレクシスと、アレクシスの好意を理解できずに敵意を剥き出しにするルノ…… ヤンデレ気味スパダリ優等生×ツンツン野良猫平民のハッピーエンドストーリー。 ※R-18を含む話のタイトルには*を付けます。 文字数 128,443 最終更新日 2021.2.1 登録日 2020.12.25 -
3長編 連載中 R18お気に入り : 3 24h.ポイント : 0
リヒャルドの白い襯衣(シャツ) 真白い襯衣(シャツ)を着る。 真白い、まっさらな襯衣(シャツ)――。 何処までも、真白い、まっさらな襯衣(シャツ)――。真白いまっさらな襯衣(シャツ)が必要なのだ、僕には。 美少年リヒャルドの一日の物語。 オリジナ?BL小説。 文字数 9,746 最終更新日 2024.6.29 登録日 2024.6.28 -
5短編 完結 R18お気に入り : 2 24h.ポイント : 0